セックスが終わると、あなたはエビのようにまるくなる。奥底にあるものが壊されてしまったような感じがする。殴られると気持ち悪くなる部分をがんとやられたときのようだ。悲しみがゆっくりとわきあがってきて、からだを満たしていく。
あなたが知っていることはなんの役にもたたないから、それを説明しようとは思わない。いろんなものがあなたのからだを満たしていき、ついには死があなたを満たす。燃え上がったあと、愛は立ちどまる。そしてあなたは、かたわらで羽の襟巻のようにながながと寝そべっている死とからみあう。蛇のような、空気のように軽い死……。彼になにかを求めたり、なにかをいおうとは思わない。
あなたは、それが自分のあやまちだと知っている。でもいったいなにがあやまちだったのだろう。心を開かなかったこと。足は開いたというのに、あなたは心を開くことができなかった。心を開こうとはしなかった。
――欲望/スーザン・マイノット(森田義信訳)
